大腸の一部で、小指より小さい臓器の虫垂ですが、大の大人が我慢出来ないほどの痛みを引き起こす虫垂炎(盲腸)は怖いですよね。
そして『盲腸』という言葉を聞くと、『手術をした後もしばらく入院して抜糸出来たら退院』というイメージがありますが、実際どの位の時間かかるんでしょうか?
これからオペをする予定の人やするかもしれない人の中には、時間が限られているサラリーマンの人も少なくないと思うので、「何日くらい休む必要があるのか?」は知っておきたいトコロですよね・・^^;
その辺り気になったので、詳しく調べてみました。
- ズバリどの位で終わるの!?
- 2種類の手術方法ごとに詳しく解説!
- 入院期間も違ってくるの?
- 長引いてしまう3つの事例も紹介
- リスクを抑える方法もあるの?
- 意外と知らない合併症のリスクとは?
- 手術前にどんな診断検査をするの?
- 関係者から聞いた意外な病院選びのコツ…
などもまとめているので、リアルな実情を知っちゃってくださいね!^^
盲腸の手術はどの位時間がかかるの!?
まず結論から言いますと、必要な時間は症状や炎症の進行具合によって変わってくると言えます。というのもそもそも状況次第では、可能な手術方法が限られてくるからなんですね・・^^;
大きく分けて2種類あるので、それぞれ詳しく見てきましょう!
①腹腔鏡下手術(ふっこうきょうかしゅじゅつ)
あまり聞き慣れない言葉ですが、腹部に小さな穴を3〜5箇所ほど開けるだけで可能な手術方法になります。
歴史が浅く割と新しいやり方なのですが、最近主流になってきている方法で、
- 傷口が小さく目立たない(最大で約1.5cm程、その他約8mmの穴が2〜4つ ※状況によって追加される事もある)
- 手術時間はやや長め
- 負担が少ないので回復にかかる時間も短い
- 治療費は開腹よりも20~30%高い
などの特徴があります。
どの位かかるの!?
- 手術時間は約80〜90分が多い
次に紹介する開腹法と比べて、20〜30分ほど長くなるのが一般的と言われています。
理由としては、挿入したカメラから送られてくる映像を平面のモニターで確認しながらの作業になるのに加えて、鉗子(かんし)と呼ばれるハサミのような器具で行うため、難易度が高くなってしまうからなんですね。
余談ですが、腹腔鏡法では局部麻酔や下半身のみになり、意識はハッキリしているので、手術室内の時計で時間をカウントするという事も出来るみたいです!余裕がある人はトライしてみてください。
②開腹手術
症状が重かったり悪化しているケースに用いられる方法ですが、そのネーミング通り、お腹を切り開いてから切除する方法になります。
医学的な歴史もあるので、信頼性の高い手法とも言えますが、
- 右下の腹部を5cmほど切開するので身体的なダメージが大きい(跡が残る)
- 場合によっては全身麻酔も行う
- 体への負担も大きいので、術後に回復するまでの入院期間が長い
などのデメリットもあります。
どの位かかるの!?
- 手術時間は順調に進めば50〜60分が一般的
腹膜炎も併発していたり、癒着(くっついて欲しくない組織同士がくっついてしまう現象)が起こっていたり、悪化していた場合は、120分以上かかるケースもあります。
後は執刀医のスキルなどによっても、多少前後すると言えますね。
必要な入院期間はどの位?
オペを行った後は安静にしておく必要があるので、病院で入院をする事になりますが、この日数も手術法によって大きく異なってきます。
普段から忙しい人が1番気になるトコロですが、見て行きましょう。
- 腹腔鏡法 ⇒ 2〜3日
- 開腹法 ⇒ 9〜10日
※あくまで一般的な数値ですので、状況によっては前後する場合もあります。
病院で診断を受けてから「いつオペをするのか?」も気になりますが、あまりの痛みに悶絶して病院に運び込まれてくるケースも多いので、その場合は救急的に当日の手術をするという事も珍しくありません。
そのような急性の場合は、24時間以上が過ぎてしまうと虫垂破裂のリスクも伴ってくるので、緊急性が高い病気と言えますからね。。
初期段階であれば薬で散らす事も可能!
俗に言う「薬で散らす」という行為ですね。
ただこの場合、しばらく経過するとまた痛みが出てきてしまう「再発率が高い」というデメリットもあるで注意が必要です。会社などを休める方は「なるべく手術をした方が良い」と勧められるケースも多いのが現状のようですね。
一時的に痛みがおさまったとしても、またいつ再発するか分からない状態だと、精神的にもあまり良くなさそうですしね・・^^;
手術時間が長引く3つの事例とは!?
一口に『盲腸』と言っても非常に複雑な臓器になるので、どの位かかるか?」もケースバイケースによると言えます。
今回は、特にオペ時間が長引いてしまう3つの事例を紹介していきたいと思います!
①途中でオペ方法を変更した
例え『腹腔鏡下法』でオペを開始したとしても、カメラを挿入し切開してみた結果、予想以上に炎症が酷かったり、出血量も多いという状況だと、そのまま続けるのが難しいケースもあります。
執刀医が「このまま続けるのは困難だ・・」と判断すると、そのまま開腹手術へ変更するという事もあるんですね。
その場合はイレギュラーになるので、その分時間が伸びることとなります。
②腹膜炎が起こっている
先程も少し話ししましたが、盲腸が進行していた場合には、激しい炎症が起こり膿が漏れる事によって『腹膜炎』が起こってしまいます。
腹膜はかなりデリケートな部分で、細菌が入り込むとすぐに炎症を引き起こすので、非常に怖いんですよね・・^^; 放置しておくと敗血症(はいけつしょう)になり、命を落とす危険性も出てくるので、要注意です。
その場合は、大幅に時間がかかってしまうのですが、僕が聞いた中で最長は何と12時間という大手術。腹膜炎もそれなりに進行していたっぽくて、入院期間も15日間かかってしまったと言っていました。
ただ当の本人は、「何であんなに長かったんだろう?お金たくさんかかったし、私騙されててるのかな?(笑)」と呑気な事を言っていたのに、更にビックリしました。。
③術中に合併症が起こっていた
合併症にはいくつか種類がありますが、その中でも『術中合併症』は、オペ中に発生する症状になります。
具体的には、出血が多過ぎたり、腸管などその他の臓器に異常が起こってしまうという感じ。ただ確率的には非常に珍しいので、あまり気にし過ぎない方が良いかなと思います!
手術タイミングを先延ばしにも出来るの!?
ただ事情によりすぐのオペが難しい場合は、一時的に強力な抗菌薬を投与して、数カ月後に手術を行う『間歇期虫垂切除(かんけつきちゅうすいせつじょ)』という方法も可能となっています!
炎症が治まってからオペを行えるので、術後の合併症リスクが抑えれるというメリットもありますが、その反面、失敗事例も多く報告されているので、担当医とよく相談する事をオススメします。
知っておきたい合併症のリスク
一般的には難易度の低い手術と言われている盲腸ですが、進行状況によっては、術後の約10%の割合で合併症が発生するリスクがあります。
先ほど紹介した2種類の手術法ごとに、見て行きましょう!
①遺残膿瘍(いざんしゅよう)
腹腔鏡下法を行う場合は、その名の通り患部に膿が発生してしまう『遺残膿瘍(いざんしゅよう)』の、発症リスクが高くなると言えます。
オペ後、1~2週間前後で発生しやすく、穿孔(せんこう)がある虫垂炎の場合には更に発生率が高くなってしまいます。。一般的には抗生薬の投与で治療出来るのですが、場合によっては再手術を要するケースもあります。
その他にも、直接ではなく鉗子を使っての間接的なやり方になるので、偶発性を伴った予想しづらい合併症も起こりやすくなると言えるんですね。
②腸閉塞(ちょうへいそく)
コチラはよく聞く名前で、別名:イレウスと呼んだりしますが、開腹法の場合に発症リスクがあります。
オペをした後に腸同士がくっついてしまう『通称:癒着(ゆちゃく)』してしまう事が原因となるのですが、早くて3日後縲恍xくて何年か後になって発症するケースもあるんですね・・^^;
コチラも食事を抜いたり消化器系の措置を行いますが、重症の場合はまたオペが必要になるケースも。
この辺りの合併症に関しては、検査の結果ある程度、進行してしまっている時は選択肢が限られてしまいますが、そうじゃない時は、「どちらの方法にしますか?」と担当医から聞かれる事もあるので、知識として知っておいても損はしないんじゃないかと思います。
実は診断が難しい病気だった!?
盲腸はかなり身近で一般的な病気ではあるのですが、実際にオペをしても「虫垂部分に何の異常もなかった」という事例もあったりと、確定的な診断が難しい病気でもあるんですね。
特に若い年齢層の女性は、婦人科系の疾患に似ているため見極めが困難なケースも少なくありません・・^^;
盲腸と判断するまでの診断方法
- 触診して痛みがあるかチェックする(腸近くのマックパーネー点などを押して調べる)
- 血液検査(白血球数が通常の2縲鰀3倍になる)
- 腹部のX線検査(盲腸が拡張されていたり、ガスが映り込んでいる)
- 超音波の検査(腫れ上がった虫垂を確認出来る)
- CT(他の病気との最終的な識別を行う)
これらの検査を踏まえて、「どうやって治療して行くか?」の判断を下していくワケです。
ただ、だからと言って、疑いがあるのに放置するのは非常に危険なので、必ず医師の診察を受けるようにしてくださいね!
自分でも出来るセルフチェックのやり方はコチラ!
病院選びは慎重に・・
実際に盲腸の手術を担当した経験のある医師が少ない病院では、「そもそも誰が執刀するか?」を決めるのに時間がかかるケースがあると言います。
後、MRをやっている友人に聞いてビックリしたのが、「大学病院で盲腸の手術を受けるのは止めた方が良いよ!そもそも最新機器を使っての治療がメインだから、オペ経験がない研修医が担当する事が多いから。」という内容でした。
つまり経験がないため、
- 慣れている医師が起こさないようなミスが発生
- 薬、抗生物質、点滴なども大量に使用され費用が高くなる
というデメリットがあるというワケ・・^^;
正直、『大学病院=医療機器が揃っているから安心』というイメージがあったので、コレには驚きましたね。。まぁいくら研修医が執刀すると言っても術中は経験がある医師が監督をしますし、全ての大学病院がそうとも限らないので一概には言えないですが、病院を選ぶ際の参考にしてください。
大事な自分の体ですので、リスクは避けたほうが賢明ですしね!
まとめ
途中で何回もお伝えしましたが、炎症や進行状況によっては手術内容や必要となる時間もケースバイケースと言えます。出来ることなら元気な内から最低限の知識は身に付けておきたいですよね。
まぁ実際、具合が悪くならないと、なかなか調べる気が起こらないのも事実ですが・・^^;
後、腹膜炎が起こっていても、病院によっては1つ目の腹腔鏡を行ってくれるトコもあるので、気になる場合は、元気なうちから近場の病院をリストアップしておくのも良いかもしれませんね!
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